作業服は布でできています。それは当たり前のことだと思って気にしないことが多いでしょう。しかし、布といっても様々なものがあり、それによって見た目や機能性が変わってくることになるのです。どのような作業をするのか、どういったものが必要なのかに合わせて、布選びをしていく必要もあります。
どういった点に違いが生じるのかを見ていきましょう。
布が違えば見た目が変わる
まず、布の違いですぐに分かるのは見た目の違いです。特に視覚的に大きな印象が残るのは色の違いでしょう。使用する布の色によって印象が大きく変わります。ほとんど使う色が決まっている場合もあるでしょう。食品関係や医療関係など、衛生面が重要なところでは白色の布を使うことが多いようです。
汚れが見えることで、汚れたら変えることができるので衛生面でプラスに働くことになるのです。白以外にも、薄い水色などの布を使うこともあるようです。逆に汚れやすく、汚れ自体はあまり気にしないような作業を行うところでは、色の濃い作業着が便利なこともあります。
薄い色の場合、落ちない汚れがついてしまい買い替えるとなると、頻繁に汚れる場合には多くの費用が必要になります。濃い目の色がついていると汚れが落ち切らなくても機能的に損なわれていなければ使い続けやすいです。
汚れが目立ってしまうとやはり気になってしまうものなので、目立ちにくいものを選んでいくことが必要でしょう。色以外にも見た目に影響することがあります。布の厚みや張り具合によって形が変わって見えることもあるのです。
しなやかなものと厚手で張りのあるものでは、同じ形でも見た目が大きく異なってきます。形自体は似ていても印象が大きく変わってくる可能性があるのです。そのため、イメージ画像だけではなく見本品をチェックしたり、実際に生地の状態を触って確認してみたりすることも大切になってきます。
布によっては洗濯などでしわになりやすいこともあり、そうなると見た目が損なわれてしまうこともあります。こうした点からも布地選びは見た目に大きな影響を及ぼしていくことになるのです。
作業服で大切な強度をチェック
作業服の場合には、やはりそれを着て作業を行うわけですから、それに合わせた強度があることが求められることになります。作業の程度によって必要な強度は異なってくるでしょう。激しい動きを伴う作業の場合にはやはりしっかりした布地が向いています。
ぶつけたりこすったりしたときに集めで強度のある布地であれば体を守ってくれる効果もあるからです。また、すぐに切れてしまったりほつれてしまったりしては買い替えの必要が出てきてコストが高くなります。ある程度丈夫な方が良いでしょう。
ただし、作業が比較的軽い場合などは、あまり分厚い布になってしまうと不快に感じることもあります。服自体が重いと感じたり、動きにくさにつながってしまうこともあるからです。ただ丈夫であればよいのではなく、どのような機能が求められているのかが重要になるのです。
そのため、どのような作業の時にどういった人が身に着けるのかを考えて、作業服に使う布地を決めていくことが必要になります。
動きやすいかどうかも重要
作業服である以上、動きやすさが重要なポイントになってくるのは多くの人が理解しやすいでしょう。体を大きく動かす場合、腕や足などが服で引っ張られてしまうと、必要な動きが十分できずに場合によっては事故や仕事のしづらさにつながってしまいます。
膝の曲げ伸ばしや腕を伸ばすなど、普通の動きでも妨げられると作業に支障が生じるので、そういった部分がきちんとできるかどうかを確認する必要があります。試着などができるとよいでしょう。特に立ったり座ったりしたときに膝がきちんと曲がるかどうか、太ももなどがきつくなりすぎないかなどは確認しておきましょう。
布地自体にある程度のストレッチ性があると、動きやすくて安心です。ストレッチ性がない布を使ってしまうと、十分な動きを確保するために体に対してかなり余裕を持ったサイズのものを選ばなくてはなりません。その分逆に重さが出たり、動きにくさにつながってしまうこともあります。
ちょっとした不快感が日々の作業に影響を及ぼすこともあるので、特によく動く場合には動きを妨げないストレッチ性があるものを選んでいきましょう。
洗濯のことを考える
作業服の場合には、毎日着るものですし作業を支えていく大切なものですから、いつでも気持ちよく使えるようなメンテナンスを行わなければなりません。洗濯のしやすさはその点で重要なポイントとなります。個人で洗濯をするのであれば、洗濯機で洗うことができるかが大きなポイントとなります。
水洗いができるものでも、手洗いをしなければならないとなると手間もかかりますし、それだけ負担が大きくなってしまうのです。また、生地の厚みや素材によっては、乾きにくいこともあります。洗い替えが十分な数でない場合、急遽汚れてしまって洗う場合など、乾燥が間に合わない可能性も出てきます。
乾燥機がある人ばかりではないので、一般家庭で洗うなら乾きやすい素材の布であることも一つのポイントです。
細かいメンテナンスについても考える
素材によってしわになりやすい布の場合には、アイロンをかけなければなりません。事務作業などでよく利用されるシャツなどは、見た目が重要なのできちんとしわのない状態にしなければなりません。アイロンをかけるのもかなり負担が大きくなりますので、日常的に取り入れることは難しいかもしれません。
自宅で洗いにくい素材の布や、きちんと仕上げたい場合にはクリーニングを利用することもあります。会社全体でクリーニングを利用する場合もありますし、個人で近隣のクリーニングを利用することもあるでしょう。その場合の費用などもきちんと考えておきましょう。
干すだけである程度しわが取れるものなど、もともとしわが付きにくい布地を選ぶことも一つの方法です。
作業をイメージして布選び
作業服は何でもよいわけではなく、作業に使う以上それに役立つような機能のものを選びたいところです。作業を妨げないようなものかどうか、洗濯などのメンテナンスがしやすいかどうか、見た目が作業に合ったものかなど、いくつかのポイントをチェックしておきましょう。
購入前には実物を見て布の状態を確認することも大切です。